Sparfloxacinの耳鼻咽喉科領域の体液および組織中移行について

1. 耳鼻咽喉科感染症患者47名にSparfloxacin (SPFX) を投与し, 同薬剤の組織および体液中濃度をbioassay法により測定した. 2. 上顎洞粘膜中の濃度は, 内服後1.5-7.63時間で0.041-1.38μg/gであり, 移行率は平均1可36であった. 3. 口蓋扁桃中の濃度は, 内服後1.5-5.5時間で0.308-2.05μg/gであり, 平均移行率は1.45であつた. 4. 鼻汁中濃度は, 内服後4.83可6時間で0.112-0.955μg/gで, 平均移行率は0.95であつた. 5. 耳漏中の濃度は, 内服後4可6時間で0.2-1.89μg/gであり, 平均移...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 37; no. 5; pp. 941 - 948
Main Authors 小林, 武弘, 深水, 浩三, 島, 哲也, 宮本, 直哉, 鯵坂, 孝二, 丸尾, 猛, 伊藤, 晴夫, 宮崎, 康博, 東内, 朗, 馬場, 駿吉, 清田, 隆二, 島田, 純一郎, 稲垣, 光昭, 永田, 総一郎, 大山, 勝, 内薗, 明裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1991
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.37.5_941

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Summary:1. 耳鼻咽喉科感染症患者47名にSparfloxacin (SPFX) を投与し, 同薬剤の組織および体液中濃度をbioassay法により測定した. 2. 上顎洞粘膜中の濃度は, 内服後1.5-7.63時間で0.041-1.38μg/gであり, 移行率は平均1可36であった. 3. 口蓋扁桃中の濃度は, 内服後1.5-5.5時間で0.308-2.05μg/gであり, 平均移行率は1.45であつた. 4. 鼻汁中濃度は, 内服後4.83可6時間で0.112-0.955μg/gで, 平均移行率は0.95であつた. 5. 耳漏中の濃度は, 内服後4可6時間で0.2-1.89μg/gであり, 平均移行率は0.81であつた. 6. 鼻汁における経時的な検討では, 投与後10時間でもなお有効な血清中, 鼻汁中濃度が検出された. 以上のように, 本剤は耳鼻咽喉科領域組織中に良好な移行性を示すことが確認されたことから, 耳鼻咽喉科領域感染症に対して臨床的にも有用であることが示唆された.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.37.5_941