心不全と失神発作を繰り返す高安動脈炎に対して右外腸骨–両側腋窩動脈バイパス術を施行した一例

70歳,女性。高血圧性心不全および高安動脈炎による失神や上肢血管への盗血症状を認めた。心不全治療の点からは降圧が望ましい一方で,降圧により脳血流が低下するため薬物治療では限界であり,血行再建が望ましいと判断した。大動脈石灰化が高度のため下肢動脈をinflowとして通常とは逆行性の血流で両側腋窩動脈へバイパスを行った。術後は失神発作を生じることなく心不全管理も可能となり,リハビリが進みADLも改善した。...

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Published in脈管学 Vol. 60; no. 4; pp. 53 - 56
Main Authors 嵯峨根, 正展, 谷川, 和好, 小林, 俊也, 盧, 大潤, 古川, 浩, 杵渕, 聡志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脈管学会 10.04.2020
Subjects
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ISSN0387-1126
1880-8840
DOI10.7133/jca.20-00003

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Summary:70歳,女性。高血圧性心不全および高安動脈炎による失神や上肢血管への盗血症状を認めた。心不全治療の点からは降圧が望ましい一方で,降圧により脳血流が低下するため薬物治療では限界であり,血行再建が望ましいと判断した。大動脈石灰化が高度のため下肢動脈をinflowとして通常とは逆行性の血流で両側腋窩動脈へバイパスを行った。術後は失神発作を生じることなく心不全管理も可能となり,リハビリが進みADLも改善した。
ISSN:0387-1126
1880-8840
DOI:10.7133/jca.20-00003