P-NETの現状と今後の展望
WHO分類(2010)により,膵神経内分泌腫瘍(P-NET)はNET G1,G2,NECに分類され,NETの診療に用いられている。局在診断は,腹部超音波検査,Dynamic CT,MRI,超音波内視鏡検査(EUS)検査などを中心に行われる。ソマトスタチン受容体シンチグラフィーや68Ga-DOTATOC-PET/CTは海外でその有用性が報告されているが本邦では保険未承認である。腫瘍径の比較的小さいインスリノーマは,腫瘍核出術や膵縮小手術,腹腔鏡手術のいい適応となる。2cm以上の非機能性P-NETはリンパ節郭清を伴う膵切除術が推奨される。1~2cmの非機能性P-NETに関しても,リンパ節転移を伴う...
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Published in | 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 247 - 252 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 2186-9545 |
DOI | 10.11226/jaesjsts.30.4_247 |
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Summary: | WHO分類(2010)により,膵神経内分泌腫瘍(P-NET)はNET G1,G2,NECに分類され,NETの診療に用いられている。局在診断は,腹部超音波検査,Dynamic CT,MRI,超音波内視鏡検査(EUS)検査などを中心に行われる。ソマトスタチン受容体シンチグラフィーや68Ga-DOTATOC-PET/CTは海外でその有用性が報告されているが本邦では保険未承認である。腫瘍径の比較的小さいインスリノーマは,腫瘍核出術や膵縮小手術,腹腔鏡手術のいい適応となる。2cm以上の非機能性P-NETはリンパ節郭清を伴う膵切除術が推奨される。1~2cmの非機能性P-NETに関しても,リンパ節転移を伴うことがあり注意を要する。ガストリノーマは,腫瘍径に関わらずリンパ節転移することがありリンパ節郭清が必要である。進行性P-NETに対して,Everolimusが2011年12月に,Sunitinibが2012年8月に適応追加され,広く用いられてきている。Streptozotocinは,保険認可に向け治験が行われるなど,今後期待できる薬剤である。再発診断や再発後の経過観察などに有用である血清クロモグラニンAは本邦で保険未承認である。 |
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ISSN: | 2186-9545 |
DOI: | 10.11226/jaesjsts.30.4_247 |