炭素質エアロゾルの発生起源解明を目指したトレーサー解析手法の開発

炭素成分からなる炭素質エアロゾルは、微小粒子状物質(PM2.5)など大気エアロゾルに占める割合が大きく、その発生源対策がPM2.5の削減に有効であると考えられる。しかし、炭素質エアロゾル、中でも有機エアロゾルの変質過程や起源は複雑であり、その実態解明が大きな課題である。本稿では、筆者がこれまでに取り組んできた、有機トレーサー成分の高時間分解測定手法の開発・評価、人為起源二次生成有機粒子の新規トレーサー成分の開発、放射性炭素や有機トレーサー成分の実態観測とそれらを用いた炭素質エアロゾルの発生起源解析に関して概説する。特に、起源解析については、バイオマス燃焼と二次生成有機粒子に着目して述べる。また...

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Published in大気環境学会誌 Vol. 57; no. 1; pp. 24 - 33
Main Author 池盛, 文数
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 大気環境学会 10.01.2022
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ISSN1341-4178
2185-4335
DOI10.11298/taiki.57.24

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Summary:炭素成分からなる炭素質エアロゾルは、微小粒子状物質(PM2.5)など大気エアロゾルに占める割合が大きく、その発生源対策がPM2.5の削減に有効であると考えられる。しかし、炭素質エアロゾル、中でも有機エアロゾルの変質過程や起源は複雑であり、その実態解明が大きな課題である。本稿では、筆者がこれまでに取り組んできた、有機トレーサー成分の高時間分解測定手法の開発・評価、人為起源二次生成有機粒子の新規トレーサー成分の開発、放射性炭素や有機トレーサー成分の実態観測とそれらを用いた炭素質エアロゾルの発生起源解析に関して概説する。特に、起源解析については、バイオマス燃焼と二次生成有機粒子に着目して述べる。また、トレーサー成分に関する課題や展望についてもまとめる。
ISSN:1341-4178
2185-4335
DOI:10.11298/taiki.57.24