赤丸料により減少したコントロール不良な癌性腹水の一例

56歳男性の原発不明癌による癌性腹水に対して,腹痛と強い寒を認めていたことから桂皮赤丸料を使用した。赤丸料を開始後,2日目より腹痛の消失,3日目より尿量の増加とともに腹水が著明に減少した。赤丸料が癌性腹水に有効であった機序は不明であるが,寒の改善によって新陳代謝が亢進し,利尿が促進された可能性を推察する。 赤丸料による癌性腹水の改善例はこれまで報告されておらず,文献的考察とともに報告する。...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 70; no. 2; pp. 136 - 140
Main Authors 徳丸, 佳世, 三潴, 忠道, 矢野, 博美, 田原, 英一, 村井, 政史, 貝沼, 茂三郎, 土倉, 潤一郎, 犬塚, 央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2019
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.70.136

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Summary:56歳男性の原発不明癌による癌性腹水に対して,腹痛と強い寒を認めていたことから桂皮赤丸料を使用した。赤丸料を開始後,2日目より腹痛の消失,3日目より尿量の増加とともに腹水が著明に減少した。赤丸料が癌性腹水に有効であった機序は不明であるが,寒の改善によって新陳代謝が亢進し,利尿が促進された可能性を推察する。 赤丸料による癌性腹水の改善例はこれまで報告されておらず,文献的考察とともに報告する。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.70.136