中咽頭腺様囊胞癌のがん遺伝子パネル検査にてBRCA1 病的バリアントが判明した症例

2019年の保険収載以降,頭頸部がんの領域においてもがん遺伝子パネル検査の重要性が増している.また,がん遺伝子パネル検査を施行した際に診断目的とは別の遺伝子の病的バリアントを偶然見出すこともあり得る(以下,二次的所見)ため,その対応を理解しておく必要がある.われわれは,乳癌既往のある中咽頭腺様囊胞癌患者に対して,がん遺伝子パネル検査を施行しBRCA1 遺伝子の病的バリアントを二次的所見として確認した症例を経験した.われわれは,遺伝性腫瘍外来に紹介し,詳細な家族歴の聴取の下,BRCA1 病的バリアントを患者に開示し二次原発がん発症時の治療選択肢および血縁者への有益な情報提供となった貴重な症例を経...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in遺伝性腫瘍 Vol. 24; no. 4; pp. 238 - 241
Main Authors 中平, 光彦, 吉田, 裕之, 小川, 剛, 山㟢, 知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会 18.04.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2435-6808
DOI10.18976/jsht.24.4_238

Cover

More Information
Summary:2019年の保険収載以降,頭頸部がんの領域においてもがん遺伝子パネル検査の重要性が増している.また,がん遺伝子パネル検査を施行した際に診断目的とは別の遺伝子の病的バリアントを偶然見出すこともあり得る(以下,二次的所見)ため,その対応を理解しておく必要がある.われわれは,乳癌既往のある中咽頭腺様囊胞癌患者に対して,がん遺伝子パネル検査を施行しBRCA1 遺伝子の病的バリアントを二次的所見として確認した症例を経験した.われわれは,遺伝性腫瘍外来に紹介し,詳細な家族歴の聴取の下,BRCA1 病的バリアントを患者に開示し二次原発がん発症時の治療選択肢および血縁者への有益な情報提供となった貴重な症例を経験したため,ここに報告する.
ISSN:2435-6808
DOI:10.18976/jsht.24.4_238