Ejnell法による声帯外転術が無効であった2例

Elnell法による声帯外転術が無効であった2例を経験したので報告する。症例1: 74歳、女性、両側喉頭麻痺、甲状腺癌術後、心不全。1999年9月9日に当科を受診した。1989年に甲状腺全摘および気管切開を受けていた。10月26日に気切孔閉鎖を目的として全身麻酔下にEjnell法による声帯外転術を行った。術後に気管切開孔の閉鎖を試みたが呼吸困難のため閉鎖できなかった。症例2: 64歳、男性、両側喉頭麻痺、急性心筋梗塞、糖尿病。1999年2月10日に当科を受診した。呼吸困難に対し気管切開が行われていた。両側の喉頭麻痺を認めた。10月28日に全身麻酔下にEjnell法による声帯外転術を行った。術後...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 51; no. 5; pp. 367 - 369
Main Authors 山下, 弘之, 時津, 千恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.09.2005
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Summary:Elnell法による声帯外転術が無効であった2例を経験したので報告する。症例1: 74歳、女性、両側喉頭麻痺、甲状腺癌術後、心不全。1999年9月9日に当科を受診した。1989年に甲状腺全摘および気管切開を受けていた。10月26日に気切孔閉鎖を目的として全身麻酔下にEjnell法による声帯外転術を行った。術後に気管切開孔の閉鎖を試みたが呼吸困難のため閉鎖できなかった。症例2: 64歳、男性、両側喉頭麻痺、急性心筋梗塞、糖尿病。1999年2月10日に当科を受診した。呼吸困難に対し気管切開が行われていた。両側の喉頭麻痺を認めた。10月28日に全身麻酔下にEjnell法による声帯外転術を行った。術後にカニューレを抜去したが呼吸困難のため再挿入した。2003年8月29日に声門下の肉芽除去のためラリンゴマイクロサージャリーを行った。症例1は心肺機能の低下のため気管切開孔の閉鎖に至らなかった。症例2は糖尿病がベースにあり声門下に肉芽を形成した。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.51.5_367