山梨県甲府市におけるPM2.5中アミニウム塩の濃度と発生源

山梨県甲府市の市街地域にておよそ3年間、PM2.5に含まれるメチルアミニウム塩(MA)、エチルアミニウム塩(EA)、ジメチルアミニウム塩(DMA)、ジエチルアミニウム塩(DEA)、トリメチルアミニウム塩(TMA)、トリエチルアミニウム塩(TEA)の観測を行った。これら6種類のアミニウム塩がPM2.5中水溶性有機態窒素(WSON)濃度に占める割合は5.6%であった。また、これらの中ではMAが最も濃度が高い傾向を示した。半分以上のサンプルで濃度が検出下限以下となったEA、TMA、TEAを除くMA、DMA、DEAの3種類のアミニウム塩は、いずれも夏季に濃度が高い傾向を示した。暖候期の発生源として、特...

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Published in大気環境学会誌 Vol. 59; no. 2; pp. 38 - 46
Main Authors 松本, 潔, 熊谷, 遼大, 萱沼, 大輝, 小幡, 元弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 大気環境学会 29.02.2024
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Summary:山梨県甲府市の市街地域にておよそ3年間、PM2.5に含まれるメチルアミニウム塩(MA)、エチルアミニウム塩(EA)、ジメチルアミニウム塩(DMA)、ジエチルアミニウム塩(DEA)、トリメチルアミニウム塩(TMA)、トリエチルアミニウム塩(TEA)の観測を行った。これら6種類のアミニウム塩がPM2.5中水溶性有機態窒素(WSON)濃度に占める割合は5.6%であった。また、これらの中ではMAが最も濃度が高い傾向を示した。半分以上のサンプルで濃度が検出下限以下となったEA、TMA、TEAを除くMA、DMA、DEAの3種類のアミニウム塩は、いずれも夏季に濃度が高い傾向を示した。暖候期の発生源として、特にMAとDMAについては、農地や森林の土壌などからガスとして揮散した後エアロゾルに取り込まれるプロセスが重要と考えられる。DEAについては、東京圏からの人為起源エアロゾルの輸送の影響も示唆された。一方、寒候期の発生源としてはバイオマス燃焼が重要であった。その影響は、特にMAで顕著であった。
ISSN:1341-4178
2185-4335
DOI:10.11298/taiki.59.38