外傷性ステノン氏管断裂の1例

ステノン氏管の損傷は、顔面外傷に伴うことが最も多く、外唾液瘻を認めるか、受傷直後の縫合処置によって唾液嚢腫を形成し、発見されることがある。 症例は36歳男性で交通事故の際、窓ガラスで顔面を損傷し、外唾液瘻を示し、画像診断上ステノン氏管の部位にガラス片を認めた。 本症は、損傷部位や程度によって口腔内から手術する場合と外切開を必要とする場合、さらに耳下腺機能を廃絶させる処理を選択せざるを得ないことがある。今回の症例は頬部皮膚外切開術によりガラス片を摘出後ステノン氏管の再建を行い、狭窄することなくステノン氏管の機能を保存しえた。さらに過去に報告された31症例を検討し、若干の考察を加えた。...

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Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 44; no. 4; pp. 338 - 341
Main Authors 竹本, 直子, 吉原, 俊雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.1998
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.44.4_338

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Summary:ステノン氏管の損傷は、顔面外傷に伴うことが最も多く、外唾液瘻を認めるか、受傷直後の縫合処置によって唾液嚢腫を形成し、発見されることがある。 症例は36歳男性で交通事故の際、窓ガラスで顔面を損傷し、外唾液瘻を示し、画像診断上ステノン氏管の部位にガラス片を認めた。 本症は、損傷部位や程度によって口腔内から手術する場合と外切開を必要とする場合、さらに耳下腺機能を廃絶させる処理を選択せざるを得ないことがある。今回の症例は頬部皮膚外切開術によりガラス片を摘出後ステノン氏管の再建を行い、狭窄することなくステノン氏管の機能を保存しえた。さらに過去に報告された31症例を検討し、若干の考察を加えた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.44.4_338