レーザーおよびLED照射器がバルクフィルユニバーサルシェードコンポジットレジンの微小硬さに及ぼす影響

目的:レーザーおよびLED高出力照射器からの光線照射が,バルクフィルユニバーサルシェードコンポジットレジンの微小硬さに及ぼす影響について検討した. 材料と方法:レーザー照射器としてMonet(AMD Laseres)を,高出力LED照射器としてVALO Grand(Ultradent)を使用した.コンポジットレジンとしては,バルクフィルユニバーサルシェードタイプのOmnichroma Flow Bulk(トクヤマデンタル)を用いた.微小硬さとして,ヌープ硬さ(KHN)の測定を行った.測定用試片は,底面を黒色ガラス板で封鎖した内径6mm,高さ2mmあるいは4mmの円柱状プラスチック型にレジンペー...

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Published in日本歯科保存学雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 高橋, 奈央, 宮崎, 真至, 北原, 信也, 石井, 亮, 林, 佳奈, 武藤, 玲, 髙見澤, 俊樹, 青木, 良太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 28.02.2025
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ISSN0387-2343
2188-0808
DOI10.11471/shikahozon.68.1

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Summary:目的:レーザーおよびLED高出力照射器からの光線照射が,バルクフィルユニバーサルシェードコンポジットレジンの微小硬さに及ぼす影響について検討した. 材料と方法:レーザー照射器としてMonet(AMD Laseres)を,高出力LED照射器としてVALO Grand(Ultradent)を使用した.コンポジットレジンとしては,バルクフィルユニバーサルシェードタイプのOmnichroma Flow Bulk(トクヤマデンタル)を用いた.微小硬さとして,ヌープ硬さ(KHN)の測定を行った.測定用試片は,底面を黒色ガラス板で封鎖した内径6mm,高さ2mmあるいは4mmの円柱状プラスチック型にレジンペーストを塡塞し,ポリストリップスを介して光照射を行ったものとした.これらの試片に対する光照射条件は,Monetでは3秒間,VALO Grandは高強度モードで3秒間照射することとし,照射距離は試片表面から0mmあるいは5mmとした.これらの試片を25℃の大気中で24時間遮光下で保管した後,微小硬度計(Via–S,マツザワ)に静置し,各試片の照射面と底面の中央付近計5カ所についてKHNの測定を行った.各照射器の光強度測定に際しては,光量測定器(Bluephase MeterⅡ,Ivoclar Vivadent)を用いて計測した.光照射条件はKHN測定用試片作成と同様に行った.照射距離は,光量測定器受光面から0,2,4,5,7mmおよび9mmとした.また,光量測定器受光面中央に内径6mm,高さ2mmあるいは4mmの円柱状プラスチック型を静置し,レジンペーストを塡塞した後,ポリストリップスを介して光照射を行った.照射距離は,試片から0mmあるいは5mmとした. 成績:コンポジットレジンのKHNは,レーザー照射器では,試片の厚さによる影響は少なかったものの,照射距離の延長に伴って低下する傾向を示した.一方,高出力LED照射器では,試片厚さの増加に伴って低下する傾向を示したものの,照射距離による影響は少なかった.光強度は,いずれの条件においても,レーザー照射器は高出力LED照射器と比較して有意に高い値を示した. 結論:本実験の結果から,レーザーおよび高出力LED照射器を用いた際のバルクフィルユニバーサルシェードコンポジットレジンのKHNは,試片厚さおよび照射距離の増加に伴って低下する傾向を示した.また,光強度も同様の傾向を示したものの,その傾向は,供試した照射器の照射特性によって異なるものであった.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.68.1