複層構造の知覚メカニズムと評価法の開発
人の肌,あるいはそれを表現する絵画において,透明感という質感表現は重要なテーマの一つである.メイクアップ化粧品における肌の透明感の演出方法には,赤色光を透過させる,青色光を反射させる,均一にする,光沢を付与するといったものがあるが,本研究ではそれらに付加する新たな透明感演出方法を確立する試みとして,肌の質感を表現するために用いられる絵画技法から見出された“ 複層構造であることを知覚させる演出効果” に着目し,その知覚メカニズムの分析,および評価法の開発を行った.その結果,画像の多重解像度解析によって分解された各帯域の標準偏差を比較した際に,特定の帯域で生じるギャップによって複層構造が知覚される...
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Published in | 日本色彩学会誌 Vol. 40; no. 6; pp. 187 - 197 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本色彩学会
2016
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Subjects | |
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Summary: | 人の肌,あるいはそれを表現する絵画において,透明感という質感表現は重要なテーマの一つである.メイクアップ化粧品における肌の透明感の演出方法には,赤色光を透過させる,青色光を反射させる,均一にする,光沢を付与するといったものがあるが,本研究ではそれらに付加する新たな透明感演出方法を確立する試みとして,肌の質感を表現するために用いられる絵画技法から見出された“ 複層構造であることを知覚させる演出効果” に着目し,その知覚メカニズムの分析,および評価法の開発を行った.その結果,画像の多重解像度解析によって分解された各帯域の標準偏差を比較した際に,特定の帯域で生じるギャップによって複層構造が知覚されること,ギャップの強度を示す指標値によって複層構造の知覚を評価できることを明らかにした. |
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ISSN: | 0389-9357 2189-552X |
DOI: | 10.15048/jcsaj.40.6_187 |