スマートフォンゲームアプリの二次創作量を規定する因子

本論文では、従来の二次創作研究では不足していた「どのようなキャラクターが二次創作を作られやすいか」という問題に取り組んだ。この問題に取り組むため、認知心理学分野のmind perception モデルから、キャラクターの印象を決める因子としてagency 因子とexperience 因子を導入した。さらに、古典主義的ゲーム・ロマン主義的ゲームという概念を導入し、古典主義的ゲームではagency 因子が、ロマン主義的ゲームではexperience 因子が二次創作量に寄与しているという仮定を立てた。本論文では古典主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシンデレラガールズ」を、ロマン主義的ゲーム...

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Published inデジタルゲーム学研究 Vol. 17; no. 1; pp. 33 - 38
Main Authors 松井, 哲也, 古川, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本デジタルゲーム学会 2024
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Summary:本論文では、従来の二次創作研究では不足していた「どのようなキャラクターが二次創作を作られやすいか」という問題に取り組んだ。この問題に取り組むため、認知心理学分野のmind perception モデルから、キャラクターの印象を決める因子としてagency 因子とexperience 因子を導入した。さらに、古典主義的ゲーム・ロマン主義的ゲームという概念を導入し、古典主義的ゲームではagency 因子が、ロマン主義的ゲームではexperience 因子が二次創作量に寄与しているという仮定を立てた。本論文では古典主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシンデレラガールズ」を、ロマン主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシャイニーカラーズ」を選んだ。ウェブ上で数百人規模のオンラインアンケートを行い、各キャラクターageny、experience を算出し、創作投稿サイトpixiv に投稿された二次創作の量との相関を調査した。その結果、仮定を支持する結果が得られた。
ISSN:1882-0913
2434-4052
DOI:10.9762/digraj.17.1_33