筋骨格系の冗長自由度の運動学的モデリングと医療福祉応用

生体の運動機構である筋骨格系には二関節筋に代表されるように筋配置や関節の自由度などに様々な冗長性を有しており, それらを適切に制御することで, 巧みな運動を実現している. このような身体の冗長自由度の運動学的特性は運動インピーダンスの概念を用いることで, 定量的に評価することができる. 本稿では, 身体の冗長自由度系の運動インピーダンス分析手法の基礎と, それを医療福祉分野に応用した例として, FESによる歩行再建を目指した筋の運動機能解析の研究を紹介する. さらに, 車いす駆動の上肢運動特性の運動インピーダンス解析の例についても紹介し, 運動インピーダンスを用いた身体運動機能解析の利点, 留...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 27; no. 4; pp. 180 - 185
Main Authors 大日方, 五郎, 巌見, 武裕, 長谷, 和徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2003
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Summary:生体の運動機構である筋骨格系には二関節筋に代表されるように筋配置や関節の自由度などに様々な冗長性を有しており, それらを適切に制御することで, 巧みな運動を実現している. このような身体の冗長自由度の運動学的特性は運動インピーダンスの概念を用いることで, 定量的に評価することができる. 本稿では, 身体の冗長自由度系の運動インピーダンス分析手法の基礎と, それを医療福祉分野に応用した例として, FESによる歩行再建を目指した筋の運動機能解析の研究を紹介する. さらに, 車いす駆動の上肢運動特性の運動インピーダンス解析の例についても紹介し, 運動インピーダンスを用いた身体運動機能解析の利点, 留意点について議論する.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.27.180