瑞浪超深地層研究所の調査データに基づく割れ目調査手法の検討
花崗岩などの結晶質岩では,割れ目が地下水や物質の移行経路となることから,高レベル放射性廃棄物の地層処分においては割れ目の頻度や走向傾斜などの情報を把握することが重要である.地表からのボーリング調査では,割れ目の走向傾斜とボーリング孔の交差角に起因する捕捉率により,ボーリング調査で確認される割れ目に関する情報は不確実性を有する.そこで,瑞浪超深地層研究所の立坑掘削時の壁面調査で取得された割れ目分布に関するデータに基づいて,割れ目分布を限られた調査量で効率的に把握できるボーリング調査方法を検討した.その結果,鉛直孔では高角度傾斜の割れ目の捕捉率が低いが,傾斜孔では割れ目の捕捉数が上昇するとともに高...
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Published in | 原子力バックエンド研究 Vol. 29; no. 2; pp. 112 - 118 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
15.12.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7579 1884-7579 |
DOI | 10.3327/jnuce.29.2_112 |
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Summary: | 花崗岩などの結晶質岩では,割れ目が地下水や物質の移行経路となることから,高レベル放射性廃棄物の地層処分においては割れ目の頻度や走向傾斜などの情報を把握することが重要である.地表からのボーリング調査では,割れ目の走向傾斜とボーリング孔の交差角に起因する捕捉率により,ボーリング調査で確認される割れ目に関する情報は不確実性を有する.そこで,瑞浪超深地層研究所の立坑掘削時の壁面調査で取得された割れ目分布に関するデータに基づいて,割れ目分布を限られた調査量で効率的に把握できるボーリング調査方法を検討した.その結果,鉛直孔では高角度傾斜の割れ目の捕捉率が低いが,傾斜孔では割れ目の捕捉数が上昇するとともに高角度傾斜割れ目の捕捉率が上昇することから,鉛直孔よりも傾斜孔の方が割れ目分布を効率良く把握できると考えられた.しかし,割れ目の卓越方位は深度によって変化するため,ボーリングの掘削方位を一義的に決定することは困難である.一方で,瑞浪超深地層研究所近傍の地表露頭における割れ目の卓越方位は,換気立坑で観察された割れ目面の平均方位とほぼ同じであることから,ボーリングの掘削方位は地表調査の結果に基づいて決定することが望ましいと考えられた. |
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ISSN: | 1884-7579 1884-7579 |
DOI: | 10.3327/jnuce.29.2_112 |