保存治療認定医/専門医に問う Evidence basedな保存治療とは

「はじめに」Evidence Based Dentistry(EBD)とは, 根拠に基づいた歯科医療であり, 経験則に頼る医療から脱却し, 臨床研究などの科学的データを基に, 患者にとって最も有益で害の少ない治療法を選択する歯科医療であることはいうまでもない. Evidence Based Medicine(EBM)は, 1991年にGordon Guyatt教授が提唱し, 1992年コクラン共同計画の実施以降全世界に浸透し, その実践には4つの必須要素(患者の病状と周囲を取り巻く環境, 医療者の臨床経験, エビデンス, 患者の好みと行動)がある. わが国でも1999年以降厚労省主導の下, 多...

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Published in日本歯科保存学雑誌 Vol. 61; no. 3; pp. 157 - 162
Main Author 野杁, 由一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 30.06.2018
日本歯科保存学会
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ISSN0387-2343
2188-0808
DOI10.11471/shikahozon.61.157

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Summary:「はじめに」Evidence Based Dentistry(EBD)とは, 根拠に基づいた歯科医療であり, 経験則に頼る医療から脱却し, 臨床研究などの科学的データを基に, 患者にとって最も有益で害の少ない治療法を選択する歯科医療であることはいうまでもない. Evidence Based Medicine(EBM)は, 1991年にGordon Guyatt教授が提唱し, 1992年コクラン共同計画の実施以降全世界に浸透し, その実践には4つの必須要素(患者の病状と周囲を取り巻く環境, 医療者の臨床経験, エビデンス, 患者の好みと行動)がある. わが国でも1999年以降厚労省主導の下, 多くの指針(ガイドライン)が完成している. 近年は, EBM全盛のなか, 反省や反発もあり, EBMを補う考えとしてNBM(Narrative Based Medicine:「対話に基づく医療」)も重要視されるようになっている.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.61.157