東京国際空港の空港気象ドップラーレーダーによるレーダー屈折指数の時間変化量推定

本論文はレーダーの位相データから温度や湿度などの関数である屈折指数の時間変化量を求める手法を述べ,位相データが得られる東京国際空港の空港気象ドップラーレーダーを用い,屈折指数の時間変化量が長期間安定して求められることを示した.推定時に位相時間変化量の空間的なスムージングが必要であること,高度150mと325mに観測点がある東京スカイツリーや東京管区気象台の地上気象観測データとの比較から,レーダー屈折指数を観測している高度が150mよりも下層にあること,空間的なスムージングのために地上観測データの1~数時間程度のゆっくりとした変動と合うことが明らかになった.また,屈折指数の時間変化と降水現象との...

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Published in天気 Vol. 71; no. 7; pp. 281 - 295
Main Authors 瀬古, 弘, 山内, 洋, 佐藤, 英一, 梅原, 章仁, 酒井, 哲, 鈴木, 修, 南雲, 信宏, 足立, アホロ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本気象学会 2024
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Summary:本論文はレーダーの位相データから温度や湿度などの関数である屈折指数の時間変化量を求める手法を述べ,位相データが得られる東京国際空港の空港気象ドップラーレーダーを用い,屈折指数の時間変化量が長期間安定して求められることを示した.推定時に位相時間変化量の空間的なスムージングが必要であること,高度150mと325mに観測点がある東京スカイツリーや東京管区気象台の地上気象観測データとの比較から,レーダー屈折指数を観測している高度が150mよりも下層にあること,空間的なスムージングのために地上観測データの1~数時間程度のゆっくりとした変動と合うことが明らかになった.また,屈折指数の時間変化と降水現象との関係について,降水開始に対応して屈折指数の急激な増加が多くみられること,水平分布からは,本論文の事例では,降水に伴う屈折指数の時間変化が降水域から10~20kmの範囲内で見られることがわかった.
ISSN:0546-0921
2434-1185
DOI:10.24761/tenki.71.7_281