Wason選択課題における選択の主観的理由
Wason選択課題の抽象的標準版と否定版 (例えば, もしpならばqではない) が36名の被験者に課せられ, 各カードを調べる必要があるか否かとその判断の確信度を5件法で評定することが求められた。さらに課題終了後, 被験者は各決定の理由を質問されるという形式で, 追観プロトコルが求められた。その理由に矛盾が見いだされると, 被験者の心の中で矛盾が解決されるまで, プロンプト質問が行われた。選択データによれば, 被験者は条件文に明示されているカードを選択する傾向にあり, マッチングバイアス説 (Evans & Lynch, 1973) を支持した。しかし, 何名かの被験者は, プロトコル...
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Published in | 教育心理学研究 Vol. 47; no. 1; pp. 11 - 18 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本教育心理学会
1999
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5015 2186-3075 |
DOI | 10.5926/jjep1953.47.1_11 |
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Summary: | Wason選択課題の抽象的標準版と否定版 (例えば, もしpならばqではない) が36名の被験者に課せられ, 各カードを調べる必要があるか否かとその判断の確信度を5件法で評定することが求められた。さらに課題終了後, 被験者は各決定の理由を質問されるという形式で, 追観プロトコルが求められた。その理由に矛盾が見いだされると, 被験者の心の中で矛盾が解決されるまで, プロンプト質問が行われた。選択データによれば, 被験者は条件文に明示されているカードを選択する傾向にあり, マッチングバイアス説 (Evans & Lynch, 1973) を支持した。しかし, 何名かの被験者は, プロトコルデータから, 肯定文において関連性判断の後, 確証を行ったり, 双条件解決を行っていることが推察された。 |
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ISSN: | 0021-5015 2186-3075 |
DOI: | 10.5926/jjep1953.47.1_11 |