原発事故被災地の丘陵地広葉樹斜面林における林床放射能低減試験とその後の水土流出

福島第一原発事故被災地の丘陵地広葉樹林斜面で O 層の除去試験を行い,森林内の空間線量率と土壌放射能,森林外への放射性セシウムの流出の変化を調べた。 L-F 層除去区は 1m の高さの空間線量率が 73~76 %に低減した。 L-F-H 層除去区は 1m の高さの空間線量率が 47.7 %に,有機物土壌層―深さ 8cm までの鉱物土壌層に含まれる放射能が 13.7 %にそれぞれ減少した。 L-F-H 層除去区の土砂流出は著しく増え,処理直後の林床に存在した 137Cs に対して林床処理後約 5ヶ月間の流出率は 9.65 %となった。 L-F 層除去区の同流出率は 0.64~0.69 %で,対照...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 130 - 135
Main Authors 山本, 理恵, 小林, 達明, 江幡, 知紗, 篠崎, 敬太, 小嶋, 大地, 太田, 祥子, 宮本, ウルルマ, 高橋, 輝昌, 鈴木, 弘行, 関崎, 益夫, 星澤, 保弘, 小竹守, 敏彦, 保高, 徹生, 辻, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2014
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Summary:福島第一原発事故被災地の丘陵地広葉樹林斜面で O 層の除去試験を行い,森林内の空間線量率と土壌放射能,森林外への放射性セシウムの流出の変化を調べた。 L-F 層除去区は 1m の高さの空間線量率が 73~76 %に低減した。 L-F-H 層除去区は 1m の高さの空間線量率が 47.7 %に,有機物土壌層―深さ 8cm までの鉱物土壌層に含まれる放射能が 13.7 %にそれぞれ減少した。 L-F-H 層除去区の土砂流出は著しく増え,処理直後の林床に存在した 137Cs に対して林床処理後約 5ヶ月間の流出率は 9.65 %となった。 L-F 層除去区の同流出率は 0.64~0.69 %で,対照区の 0.08 %より大きかった。林床処理を行った区から流出した 137Cs の 96 %以上はリターと土砂でありこれらは試験区末端に設けた柵によって堰き止められた。堰き止められずに森林外へ流出した 137Cs のうち植物に吸収されやすい溶存態の濃度は対照区で 9.5 Bq/L であるのに対し,L-F 層除去区で 3.6~6.5 Bq/L,L-F-H 層除去区で 2.1 Bq/Lと低減した。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.40.130