新型コロナ・パンデミックとジェンダー・職業格差

コロナ・パンデミックは私たちの生活にかつてない規模と強度の接触制限を要請した。その影響は、仕事生活と私生活の両方におよび、またそれは職業およびジェンダーによって異なって(これら要因によって構造化されて)いた。接触を伴う職業(サービス、医療等)が制限され、女性や小規模企業(自営等)が偏った影響を受けた。近世社会と違い私たちの生活を職業集団が包括的に規定しているわけではないが、それでも職業や従業上の地位は社会において重要な位置を占める。調査データの分析によれば、コロナ・パンデミックに伴うネガティブな影響は職業や業態ごとに顕著な違いを示している。行政による対応は事業収入や住民税非課税といったきめの粗...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in学術の動向 Vol. 27; no. 9; pp. 9_47 - 9_49
Main Author 筒井, 淳也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本学術協力財団 01.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1342-3363
1884-7080
DOI10.5363/tits.27.9_47

Cover

Loading…
More Information
Summary:コロナ・パンデミックは私たちの生活にかつてない規模と強度の接触制限を要請した。その影響は、仕事生活と私生活の両方におよび、またそれは職業およびジェンダーによって異なって(これら要因によって構造化されて)いた。接触を伴う職業(サービス、医療等)が制限され、女性や小規模企業(自営等)が偏った影響を受けた。近世社会と違い私たちの生活を職業集団が包括的に規定しているわけではないが、それでも職業や従業上の地位は社会において重要な位置を占める。調査データの分析によれば、コロナ・パンデミックに伴うネガティブな影響は職業や業態ごとに顕著な違いを示している。行政による対応は事業収入や住民税非課税といったきめの粗い条件ごとになされたが、次に来る可能性のあるパンデミックにそなえ、より解像度の高い支援のあり方を模索する必要がある。
ISSN:1342-3363
1884-7080
DOI:10.5363/tits.27.9_47