内痔核の術後出血により診断し得たvon Willebrand病の1例

内痔核の術後出血にて診断し得た,出血性疾患であるvon Willebrand病(vWD)を経験した.症例は53歳の女性で,肛門脱出と出血を主訴として近医で保存的加療を行っていたが,効果が不十分なため痔核結紮術が行われた.しかし術後の止血が困難なため,当院を紹介され受診した. 当院での術前検査では,出血時間2分・血小板24.5万/μ1であった.当院での再手術,痔核結紮切除術術後11日目とユ7日目に後出血を再び認め,検査で第VIII因子低下,von Willebrand因子の低下を認めたため,von Willebrand病と診断した.治療は乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子製剤(コンファクト®F)を...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 58; no. 3; pp. 152 - 158
Main Authors 石井, 龍宏, 瀧上, 隆夫, 森谷, 行利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2005
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.58.152

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Summary:内痔核の術後出血にて診断し得た,出血性疾患であるvon Willebrand病(vWD)を経験した.症例は53歳の女性で,肛門脱出と出血を主訴として近医で保存的加療を行っていたが,効果が不十分なため痔核結紮術が行われた.しかし術後の止血が困難なため,当院を紹介され受診した. 当院での術前検査では,出血時間2分・血小板24.5万/μ1であった.当院での再手術,痔核結紮切除術術後11日目とユ7日目に後出血を再び認め,検査で第VIII因子低下,von Willebrand因子の低下を認めたため,von Willebrand病と診断した.治療は乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子製剤(コンファクト®F)を使用し,良好な経過を辿ったので若干の文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.58.152