BRCA1/2 遺伝子変異保有者におけるリスク低減両側卵巣卵管切除術の実施(第1報)

BRCA1 あるいはBRCA2 に病的変異を有する遺伝性乳癌卵巣癌 (HBOC)では,乳癌および卵巣癌の生涯罹患リスクがそれぞれ45 〜65%,11 〜39 %と高いため,これらの癌への対策が必要である.わが国では,これまでほとんどのHBOC 症例に対して計画的なサーベイランスが行われてきた.一方,海外ではこのほかにリスク低減のための予防的外科治療も実施されている.リスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)は卵巣癌のみならず,乳癌の発症予防効果も認められている.さらに総死亡率の低下も報告されていることから,わが国でも選択肢の一つとして実施可能な体制を整備することが望まれる.今回,当院でRRSO を実...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in家族性腫瘍 Vol. 13; no. 2; pp. 52 - 58
Main Authors 岩瀬, 拓士, 本山, 悌一, 岩瀬, 春子, 新井, 正美, 竹島, 信宏, 古田, 玲子, 芦原, 有美, 滝澤, 憲, 喜多, 瑞穂, 石川, 雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 2013
一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
The Japanese Society for Hereditary Tumors
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-1052
2189-6674
DOI10.18976/jsft.13.2_52

Cover

More Information
Summary:BRCA1 あるいはBRCA2 に病的変異を有する遺伝性乳癌卵巣癌 (HBOC)では,乳癌および卵巣癌の生涯罹患リスクがそれぞれ45 〜65%,11 〜39 %と高いため,これらの癌への対策が必要である.わが国では,これまでほとんどのHBOC 症例に対して計画的なサーベイランスが行われてきた.一方,海外ではこのほかにリスク低減のための予防的外科治療も実施されている.リスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)は卵巣癌のみならず,乳癌の発症予防効果も認められている.さらに総死亡率の低下も報告されていることから,わが国でも選択肢の一つとして実施可能な体制を整備することが望まれる.今回,当院でRRSO を実施するに当たり,院内ワーキンググループでの検討から,長期生命予後および有害事象の有無を評価する臨床試験として実施することで,施設内倫理審査委員会で承認を受け体制を整えた.今後,RRSO の先進医療の申請を検討している.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.13.2_52