EIA法を用いた免疫学的便潜血反応による大腸癌検診について

EIA法を用い,1,366例に免疫学的便潜血反応による大腸集検を施行した.潜血反応陽性者は331名で受診者の24.4%を占めた.これは同時に施行した他の免疫学的便潜血反応のいずれの方法よりも高値であった.そこで,EIA法で施行した症例をヒト・ヘモグロビン値を10ng/mlづつの段階で検討し,注腸造影などの精検により発見した大腸疾患との関係を検討した.ヒト・ヘモグロビン値が60ng以下では大腸ポリープは発見できなかった.大腸腺腫17例,ポリープ13例,合計32病変を発見したが,ヘモグロビン濃度とポリープの発見頻度には相関は認めなかった.しかし,80ng以下で発見したポリープは3mm以下のものであ...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 41; no. 7; pp. 945 - 949
Main Author 後藤, 明彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 1988
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.41.945

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Summary:EIA法を用い,1,366例に免疫学的便潜血反応による大腸集検を施行した.潜血反応陽性者は331名で受診者の24.4%を占めた.これは同時に施行した他の免疫学的便潜血反応のいずれの方法よりも高値であった.そこで,EIA法で施行した症例をヒト・ヘモグロビン値を10ng/mlづつの段階で検討し,注腸造影などの精検により発見した大腸疾患との関係を検討した.ヒト・ヘモグロビン値が60ng以下では大腸ポリープは発見できなかった.大腸腺腫17例,ポリープ13例,合計32病変を発見したが,ヘモグロビン濃度とポリープの発見頻度には相関は認めなかった.しかし,80ng以下で発見したポリープは3mm以下のものであった. EIA法は高感度のため,他の免疫学的検査法に比べ,偽陽性が高くなりやすく,cut off値の設定に留意を要し,グァヤック法との併用が望ましいと考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.41.945