小田貫湿原のノハナショウブ開花数の変化に及ぼす人為的介入の影響

2009年に多くのノハナショウブの開花が確認された小田貫湿原A地点は,2021年に開花個体が皆無になった。この原因を探るために,データが残る外部形態のデータを中心に,新たに土壌調査や周辺環境の観察のデータを加え考察を行った。草刈り等人為的介入を行っている小田貫湿原B地点区域では2021年でも開花が確認され,植物残渣の堆積はみられなかった。一方,土壌の栄養成分に大きな違いはみられないものの,A地点では,植物残渣の堆積が見られ,ススキ等非湿生植物の繁茂が見られた。このように,草の刈取り,搬出等の人為的介入の如何がノハナショウブの開花の有無に大きな影響を与えているものと考えられた。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 48; no. 1; pp. 226 - 229
Main Authors 中込, 光穂, 岡, 愛香梨, 岸田, 周士, 松本, 和浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2022
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Summary:2009年に多くのノハナショウブの開花が確認された小田貫湿原A地点は,2021年に開花個体が皆無になった。この原因を探るために,データが残る外部形態のデータを中心に,新たに土壌調査や周辺環境の観察のデータを加え考察を行った。草刈り等人為的介入を行っている小田貫湿原B地点区域では2021年でも開花が確認され,植物残渣の堆積はみられなかった。一方,土壌の栄養成分に大きな違いはみられないものの,A地点では,植物残渣の堆積が見られ,ススキ等非湿生植物の繁茂が見られた。このように,草の刈取り,搬出等の人為的介入の如何がノハナショウブの開花の有無に大きな影響を与えているものと考えられた。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.48.226