皮膚筋炎に合併した舌癌と直腸癌の異時性重複癌の1例

皮膚筋炎に合併する悪性腫瘍としては比較的稀な舌癌と直腸癌の異時性重複癌の1例を経験した.症例は66歳男性で,55歳時に舌癌で手術され,58歳でヘリオトロープ皮疹などから皮膚筋炎と診断されステロイドが投与された.その後66歳時に便潜血反応陽性から直腸癌と診断され,低位前方切除術と肝部分切除が行われた.大腸癌取り扱い規約上はRa,2型,2.2×1.5cm,SS,H1,P0,N0,M0,Stage IVで,病理組織学的には高分化腺癌,ss,ly3,v1,n0,h1であった.術後2年で肺線維症に肺炎を併発し死亡した.皮膚筋炎に合併する悪性腫瘍では胃癌が多いが,自験例のようにに異時性重複癌の合併もみられ...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 54; no. 4; pp. 263 - 266
Main Authors 橋本, 可成, 安積, 靖友, 小野山, 裕彦, 裏川, 公章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2001
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.54.263

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Summary:皮膚筋炎に合併する悪性腫瘍としては比較的稀な舌癌と直腸癌の異時性重複癌の1例を経験した.症例は66歳男性で,55歳時に舌癌で手術され,58歳でヘリオトロープ皮疹などから皮膚筋炎と診断されステロイドが投与された.その後66歳時に便潜血反応陽性から直腸癌と診断され,低位前方切除術と肝部分切除が行われた.大腸癌取り扱い規約上はRa,2型,2.2×1.5cm,SS,H1,P0,N0,M0,Stage IVで,病理組織学的には高分化腺癌,ss,ly3,v1,n0,h1であった.術後2年で肺線維症に肺炎を併発し死亡した.皮膚筋炎に合併する悪性腫瘍では胃癌が多いが,自験例のようにに異時性重複癌の合併もみられることから厳重な経過観察が必要である.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.54.263