内痔核の発生部位とその特徴に関する臨床的検討

内痔核の好発部位とそれぞれの位置における痔核の特徴を明らかにする目的で, 内痔核の存在する位置, 痔核の幅, 奥行き, 移動度および痔核に付随する病変について, 低位腰椎麻酔下で検討した. 対象は痔核初回手術例137例であった. 内痔核は左側方・右後方・右前方の3群に分かれるものが多く, 左側方の痔核は2時から5時の範囲で幅が広く, 右後方の痔核は7時から9時, 右前方の痔核は11時で幅が狭いという特徴が認められた. 左側方の痔核は右側の痔核に比べ奥行きが浅い傾向にあった. 右後方の痔核は他の部位に比較し移動度のスコアーが有意に高く脱出しやすかった (p<0.05). 12時と1時の間は...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 470 - 475
Main Authors 金井, 忠男, 栗原, 浩幸, 久保田, 至, 山腰, 英紀, 伏島, 一雄, 水本, 晋作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 1996
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.49.470

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Summary:内痔核の好発部位とそれぞれの位置における痔核の特徴を明らかにする目的で, 内痔核の存在する位置, 痔核の幅, 奥行き, 移動度および痔核に付随する病変について, 低位腰椎麻酔下で検討した. 対象は痔核初回手術例137例であった. 内痔核は左側方・右後方・右前方の3群に分かれるものが多く, 左側方の痔核は2時から5時の範囲で幅が広く, 右後方の痔核は7時から9時, 右前方の痔核は11時で幅が狭いという特徴が認められた. 左側方の痔核は右側の痔核に比べ奥行きが浅い傾向にあった. 右後方の痔核は他の部位に比較し移動度のスコアーが有意に高く脱出しやすかった (p<0.05). 12時と1時の間は痔核の存在頻度が低く, 手術の際に肛門上皮の温存がはかりやすい部位であった.痔核に存在するErosionは脱出の目安となる可能性が示唆された. 随伴裂肛は右後方や右前方の痔核の脇で, しかも痔核の頻度が少ない腹・背側方向に多く認められた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.49.470