アンケート調査によるストーマリハビリテーションの現状

1967年から1990年までに大腸疾患でストーマを造設され6カ月以上経過した症例に対し郵送法による無記名アンケートを行い, 評価可能な191例を対象としストーマケアの実際と社会復帰状況ならびにオストメートが現在かかえている身体, 精神状況における問題点を解析し考察を加えた. 内訳は男性115例, 女性76例で, 平均年齢は各々64.3歳および64.7歳であった. 原疾患は直腸癌が183例 (95.8%), ストーマの種類は単孔式が180例 (94.2%) と圧倒的に多かった. 92.2%のオストメイトのストーマケアは自立していたが, 69、1%は何らかのスキントラブルを経験していた. 洗腸施行...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 49; no. 7; pp. 580 - 589
Main Authors 水沼, 廣, 土屋, 敦雄, 佐藤, 久芳, 元木, 良一, 吉田, 典行, 安藤, 善郎, 菊地, 洋一, 金沢, 匡司, 阿部, 力哉, 渡辺, 文明, 盧野, 吉和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 1996
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.49.580

Cover

More Information
Summary:1967年から1990年までに大腸疾患でストーマを造設され6カ月以上経過した症例に対し郵送法による無記名アンケートを行い, 評価可能な191例を対象としストーマケアの実際と社会復帰状況ならびにオストメートが現在かかえている身体, 精神状況における問題点を解析し考察を加えた. 内訳は男性115例, 女性76例で, 平均年齢は各々64.3歳および64.7歳であった. 原疾患は直腸癌が183例 (95.8%), ストーマの種類は単孔式が180例 (94.2%) と圧倒的に多かった. 92.2%のオストメイトのストーマケアは自立していたが, 69、1%は何らかのスキントラブルを経験していた. 洗腸施行は21.5%にしかすぎず64.0%は自然排便法であった. ストーマ装具購入価格に対する不満が31.0%と多く保険診療での経済的負担の軽減が望まれた. 何らかのトラブルの際の相談相手を医師とする者が69.1%と多くこの信頼に答えるべく, オストメイトとの一層の信頼関係の確立が重要であると思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.49.580