肺多形癌に対する切除症例の検討

背景:肺多形癌はまれな腫瘍であり悪性度が高く予後不良とされている.当科での手術症例における臨床経過を検討した.対象と方法:2002年8月から2020年1月における肺多形癌切除例28例について後方視的に検討した.結果:年齢は46-87歳(中央値73歳).性別は男性25例,女性3例.喫煙者は25例であった.腫瘍浸潤径は17-92 mm(平均44.6 mm).リンパ節転移はpN0:22例,pN1:5例,pN2:1例であった.生存期間中央値は32.0ヵ月で5年生存率は39.5%であった.1年,3年無再発生存率はそれぞれ38.7%,31.0%であった.6例にPD-L1検査を行い全例で陽性であった.それら...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 6; pp. 651 - 658
Main Authors 亀田, 洋平, 山本, 健嗣, 菅原, 海, 前原, 孝光, 益田, 宗孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2021
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Summary:背景:肺多形癌はまれな腫瘍であり悪性度が高く予後不良とされている.当科での手術症例における臨床経過を検討した.対象と方法:2002年8月から2020年1月における肺多形癌切除例28例について後方視的に検討した.結果:年齢は46-87歳(中央値73歳).性別は男性25例,女性3例.喫煙者は25例であった.腫瘍浸潤径は17-92 mm(平均44.6 mm).リンパ節転移はpN0:22例,pN1:5例,pN2:1例であった.生存期間中央値は32.0ヵ月で5年生存率は39.5%であった.1年,3年無再発生存率はそれぞれ38.7%,31.0%であった.6例にPD-L1検査を行い全例で陽性であった.それら6例に免疫チェックポイント阻害薬が使用され,5例に奏功した.結語:肺多形癌は術後早期再発・死亡例が多く予後不良であった.再発病変に対して免疫チェックポイント阻害薬治療の効果が期待できると考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.651