悪性胸水ドレナージ後の続発性気胸 当院で経験したEx Vacuo Pneumothoraxの2例
胸水ドレナージ後の稀な合併症の一つにEx Vacuo Pneumothoraxというものがある.これは慢性胸膜炎により脆弱化かつ硬化した臓側胸膜が,胸水を抜かれた空間に生じる陰圧によって,損傷し発症する気胸である.当院では,過去10年でこのEx Vacuo Pneumothoraxを2例経験した.両症例とも悪性胸水ドレナージ後,肺が全拡張できずに気胸を発症した.悪性胸水に生じたEx Vacuo Pneumothoraxの治療方法は議論のあるところであるが,自験例は耐術能があり,エアリークも多かったため外科治療を行った.両症例とも胸腔鏡で胸腔内を確認すると肺にブラはなく,気瘻が複数認められた.癌...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 5; pp. 575 - 579 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.07.2022
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Summary: | 胸水ドレナージ後の稀な合併症の一つにEx Vacuo Pneumothoraxというものがある.これは慢性胸膜炎により脆弱化かつ硬化した臓側胸膜が,胸水を抜かれた空間に生じる陰圧によって,損傷し発症する気胸である.当院では,過去10年でこのEx Vacuo Pneumothoraxを2例経験した.両症例とも悪性胸水ドレナージ後,肺が全拡張できずに気胸を発症した.悪性胸水に生じたEx Vacuo Pneumothoraxの治療方法は議論のあるところであるが,自験例は耐術能があり,エアリークも多かったため外科治療を行った.両症例とも胸腔鏡で胸腔内を確認すると肺にブラはなく,気瘻が複数認められた.癌性胸膜炎に伴う臓側胸膜の脆弱化を考慮して,気瘻部位の切除は行わずに,タコシールやネオベールシートなどで補強して手術を終了し,エアリークをコントロールすることができた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.36.575 |