組織学的評価に重点をおいた頭頸部癌のチーム医療

頭頸部癌治療の目標は根治とともに形態と機能の温存を図ることである。従って手術とともに放射線化学療法を適切に治療に組み込む必要があり, 放射線化学療法で臓器温存が可能かどうか, また根治が可能かどうかの判断が極めて重要となる。的確な判断のためには放射線治療医, 放射線診断医, 耳鼻咽喉科医による治療効果の臨床的評価に加えて, 病理医による組織学的評価が必要である。切除術を行った場合は, 切除標本の詳細な組織学的評価が的確な術後治療の選択につながる。こうした評価を, レポートや診断書のやり取りにとどめずカンファレンスにおける意見の交換を通じて行い, 症例に応じたより適切な治療方針を構築することがチ...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 395 - 400
Main Authors 倉富, 勇一郎, 瓜生, 英興, 中島, 寅彦, 益田, 宗幸, 熊本, 芳彦, 塩山, 善之, 中村, 和正, 添田, 博康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
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Summary:頭頸部癌治療の目標は根治とともに形態と機能の温存を図ることである。従って手術とともに放射線化学療法を適切に治療に組み込む必要があり, 放射線化学療法で臓器温存が可能かどうか, また根治が可能かどうかの判断が極めて重要となる。的確な判断のためには放射線治療医, 放射線診断医, 耳鼻咽喉科医による治療効果の臨床的評価に加えて, 病理医による組織学的評価が必要である。切除術を行った場合は, 切除標本の詳細な組織学的評価が的確な術後治療の選択につながる。こうした評価を, レポートや診断書のやり取りにとどめずカンファレンスにおける意見の交換を通じて行い, 症例に応じたより適切な治療方針を構築することがチーム医療として重要と考える。頭頸部癌治療において生存率, 臓器温存率を向上させるためにはチーム医療が必須であり, 耳鼻咽喉科医, 放射線科医に加えて病理医を含めたチーム医療は極めて有用である。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.395