Suplatast tosilate (IPD-1151T)の生殖・発生毒性試験(第4報) : ラット経口投与による周産期および授乳期投与試験

IPD-1151Tのラットにおける母動物(F0)に及ぼす影響, 次世代(Fl)の出生児の成長, 行動, 機能および生殖能力並びに第二世代(F2)の発生に及ぼす影響を検討するため, 各群20匹から26匹のJc1: Wistarの妊娠ラットに対し, 妊娠17日から分娩21日まで毎日IPD-1151Tの200, 600および1800mg/kgを経口投与した。F0母動物では1800mg/kg投与群で体重の増加抑制傾向および摂餌量の減少がみられた。このほか, 分娩, 哺育状態を含む一般状態, 妊娠期間, 出産率および剖検所見においてはIPD-1151Tによると思われる異常は認められなかった。F1出生児で...

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Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 17; no. SupplementII; pp. 187 - 205
Main Authors 麻生, 直, 梶原, 康弘, 穴井, 真紀子, 末田, 昭二郎, 堀脇, 信一, 山北, 修
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1992
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Summary:IPD-1151Tのラットにおける母動物(F0)に及ぼす影響, 次世代(Fl)の出生児の成長, 行動, 機能および生殖能力並びに第二世代(F2)の発生に及ぼす影響を検討するため, 各群20匹から26匹のJc1: Wistarの妊娠ラットに対し, 妊娠17日から分娩21日まで毎日IPD-1151Tの200, 600および1800mg/kgを経口投与した。F0母動物では1800mg/kg投与群で体重の増加抑制傾向および摂餌量の減少がみられた。このほか, 分娩, 哺育状態を含む一般状態, 妊娠期間, 出産率および剖検所見においてはIPD-1151Tによると思われる異常は認められなかった。F1出生児では1800mg/kg投与群で体重の増加抑制又は抑制傾向がみるれた。このほか, 出産日および哺育期の観察, 出生日の外表検査, 一般状態, 発育分化検査, 反応性検査, Open-fiel検査, 水迷路検査, 剖検所見, 器官重量, 骨格検査, 生殖能力に関する検査, 妊娠不成立動物の病理組織学的検査および帝王切開時の検査においては, IPD-1151Tによると思われる異常は認められなかった。F2胎児では帝王切開時および外表検査において, IPD-1151Tによると思われる異常は認められなかった。以上のことから, 本試験条件下において, IPD-1151Tの母動物に対する一般毒性学的無影響量は600mg/kg, 生殖に及ぼす無影響量は1800mg/kg, 次世代の出生児の成長, 行動, 機能等に対する無影響量は600mg/kgであると考えられる。
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.17.SupplementII_187