Calcipotriol (MC903)の抗原性試験

マウスおよびモルモットを用いてMC903の抗原性を検討し,以下の結果を得た。1. MC903を単独あるいはAlumと共にマウスに感作したところ,MC903に特異的なIgE抗体は産生されなかった。2. MC903を単独あるいはFCAと共にモルモットに感作したところ, MC903による反応惹起に起因した能動性全身アナフィラキシー症状の発現は観察されず,モルモット4時間PCA反応においてもMC903に特異的なIgG1抗体の産生は認められなかった。3. 陽性対照として用いたOVAでは,OVA特異的なマウスIgE抗体およびモルモットIgG1抗体が産生され,強い能動性全身アナフィラキシー反応も観察された。...

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Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 21; no. SupplementII; pp. 457 - 463
Main Authors 鈴木, 登志郎, 加藤, 利博, 北垣, 忠温, 小野, 正博, 白川, 清美, 永田, 充宏, 小西, 良士
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1996
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Summary:マウスおよびモルモットを用いてMC903の抗原性を検討し,以下の結果を得た。1. MC903を単独あるいはAlumと共にマウスに感作したところ,MC903に特異的なIgE抗体は産生されなかった。2. MC903を単独あるいはFCAと共にモルモットに感作したところ, MC903による反応惹起に起因した能動性全身アナフィラキシー症状の発現は観察されず,モルモット4時間PCA反応においてもMC903に特異的なIgG1抗体の産生は認められなかった。3. 陽性対照として用いたOVAでは,OVA特異的なマウスIgE抗体およびモルモットIgG1抗体が産生され,強い能動性全身アナフィラキシー反応も観察された。以上の結果から,本試験においては,MC903のマウスおよびモルモットへの感作によりI型アレルギーを引き起こす細胞親和性抗体(マウスIgEおよびモルモットIgG1)の産生およびモルモットにおける能動性全身アナフィラキシー症状の発現は認められなかった。
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.21.SupplementII_457