気管支型肺平滑筋腫に対して右S7区域切除術を施行した1例
症例は55歳,男性.検診異常に対する精査のCTで右S7区域に2.7 cm大の辺縁整で境界明瞭な結節を認め当院へ紹介された.気管支鏡検査では右B7を閉塞する広基性の白色腫瘤があり,生検で肺平滑筋腫の診断を得た.診断時は無症状であったが以後閉塞性肺炎などを来す可能性があり,画像所見から内視鏡的切除は不適であったため外科的切除の目的で当科へ紹介された.術式は腫瘍の完全切除と呼吸機能温存を図る目的で,胸腔鏡補助下右S7区域切除術を施行した.術後経過は良好で,術後4日目に退院した.病理組織学的所見では気管支の平滑筋層に結節性病変を形成しており,気管支型肺平滑筋腫と診断された.術後1年8ヵ月の時点で再発を...
Saved in:
Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 139 - 144 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器外科学会
15.03.2025
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.39.139 |
Cover
Summary: | 症例は55歳,男性.検診異常に対する精査のCTで右S7区域に2.7 cm大の辺縁整で境界明瞭な結節を認め当院へ紹介された.気管支鏡検査では右B7を閉塞する広基性の白色腫瘤があり,生検で肺平滑筋腫の診断を得た.診断時は無症状であったが以後閉塞性肺炎などを来す可能性があり,画像所見から内視鏡的切除は不適であったため外科的切除の目的で当科へ紹介された.術式は腫瘍の完全切除と呼吸機能温存を図る目的で,胸腔鏡補助下右S7区域切除術を施行した.術後経過は良好で,術後4日目に退院した.病理組織学的所見では気管支の平滑筋層に結節性病変を形成しており,気管支型肺平滑筋腫と診断された.術後1年8ヵ月の時点で再発を認めていない.本腫瘍の治療においては,患者の自覚症状や既往歴の確認,術前の画像所見の吟味と術中の切除マージンの十分な確保が重要であると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.39.139 |