稀有なる外耳道irritated seborrheic keratosisの1例

被刺激型脂漏性角化症 (irritated seborrheic keratosis) は, 脂漏性角化症に物理的・化学的刺激, あるいは感染, 炎症が加わり, 組織学的に有棘細胞の著明な増殖を生じたものと定義されているが外耳道に発症することは極めて稀で, 過去2例の報告があるのみである. われわれは17歳男性の右外耳道に生じた被刺激型脂漏性角化症の1例を経験した. 病理生検で錯角化症, 棘細胞症, 多くのsquamous eddiesなどの特徴的所見が見られた. 治療として腫瘤摘出術, 遊離植皮術が行なわれた. 術後4年4ヵ月以上経過した現在でも, 再発の兆候は見られていない....

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 42; no. 1; pp. 30 - 33
Main Authors 嶋崎, 孝嗣, 吉田, 義一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.01.1996
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Summary:被刺激型脂漏性角化症 (irritated seborrheic keratosis) は, 脂漏性角化症に物理的・化学的刺激, あるいは感染, 炎症が加わり, 組織学的に有棘細胞の著明な増殖を生じたものと定義されているが外耳道に発症することは極めて稀で, 過去2例の報告があるのみである. われわれは17歳男性の右外耳道に生じた被刺激型脂漏性角化症の1例を経験した. 病理生検で錯角化症, 棘細胞症, 多くのsquamous eddiesなどの特徴的所見が見られた. 治療として腫瘤摘出術, 遊離植皮術が行なわれた. 術後4年4ヵ月以上経過した現在でも, 再発の兆候は見られていない.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.42.1_30