切除しえた食道巨大gastrointestinal stromal tumorおよび胃gastrointestinal stromal tumorの重複症例
症例は73歳の女性で,主訴は.胸部X線写真にて異常陰影を指摘され,当院受診した.CTで左胸腔内に巨大な腫瘍と,さらに,胃壁に連続した腫瘍を認めた.EUSでは胸腔内の腫瘍は食道第4層と連続しており,穿刺吸引組織診にて食道gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)と診断した.胃腫瘍についてはEUSにて第4層との連続を認めたことから胃原発の間葉系腫瘍と診断した.画像診断より完全切除可能と判断し手術を施行した.摘出した食道腫瘍は最大径130 mm,胃腫瘍は42 mmで,いずれもKIT陽性であることから食道GISTと胃GISTが重複した極めてまれな症例と診断した...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 45; no. 9; pp. 905 - 913 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.09.2012
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.45.905 |
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Summary: | 症例は73歳の女性で,主訴は.胸部X線写真にて異常陰影を指摘され,当院受診した.CTで左胸腔内に巨大な腫瘍と,さらに,胃壁に連続した腫瘍を認めた.EUSでは胸腔内の腫瘍は食道第4層と連続しており,穿刺吸引組織診にて食道gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)と診断した.胃腫瘍についてはEUSにて第4層との連続を認めたことから胃原発の間葉系腫瘍と診断した.画像診断より完全切除可能と判断し手術を施行した.摘出した食道腫瘍は最大径130 mm,胃腫瘍は42 mmで,いずれもKIT陽性であることから食道GISTと胃GISTが重複した極めてまれな症例と診断した.食道GISTは高リスクであり,c-kit遺伝子変異解析でexon11の変異を認めたことからimatinibの術後補助化学療法を開始したが,副作用のため中止した.2年3か月経過した現在までに再発を認めていない. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.45.905 |