早期胃癌に合併した虫垂胚細胞カルチノイドに対して腹腔鏡下虫垂切除術を施行した1例
早期胃癌に合併した虫垂胚細胞カルチノイドの1例を経験した.症例は77歳の女性で,早期胃癌の術前CTで骨盤右側に5 cm大の腫瘤を認めた.胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を行った.腹腔内の観察で限局性の虫垂嚢胞性腫瘤を確認し,腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査で胃癌は低分化型腺癌,深達度sm2,リンパ節転移を認めず,Stage IAであり,虫垂腫瘍は粘液性嚢胞腺腫を合併した胚細胞カルチノイドの診断で,深達度mp,脈管およびリンパ管浸襲を認めなかった.虫垂胚細胞カルチノイドはまれな腫瘍で,癌の一亜型とする報告もあるが,術式や治療方針,予後に対する一定の見解は得られていない.今後は...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 442 - 447 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.04.2010
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Summary: | 早期胃癌に合併した虫垂胚細胞カルチノイドの1例を経験した.症例は77歳の女性で,早期胃癌の術前CTで骨盤右側に5 cm大の腫瘤を認めた.胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を行った.腹腔内の観察で限局性の虫垂嚢胞性腫瘤を確認し,腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査で胃癌は低分化型腺癌,深達度sm2,リンパ節転移を認めず,Stage IAであり,虫垂腫瘍は粘液性嚢胞腺腫を合併した胚細胞カルチノイドの診断で,深達度mp,脈管およびリンパ管浸襲を認めなかった.虫垂胚細胞カルチノイドはまれな腫瘍で,癌の一亜型とする報告もあるが,術式や治療方針,予後に対する一定の見解は得られていない.今後は慎重なフォローアップが必要であるが,腹腔鏡下虫垂切除術は選択肢の一つとなりうると考えられたので,若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.43.442 |