頭頸部領域におけるMD CTの有用性

多列検出器CT (multidetector-row CT以下MD CTあるいはmultislice helical CT) は1998年に登場し, 近年の画像診断の技術分野で極めて大きな話題の1つとなっている。これは体軸方向に複数の検出器をもつことにより, 一回転で複数のスライスを収集することが可能である。現在では2列や4列に加え, 8列, 16列のMD CT装置が臨床で使用されている。MD CTでは0.5mmの薄いスライス撮影が可能となり, 微細な構造も描出できるようになった。MD CTの利点は, 劇的に撮像時間が短縮され, 空間分解能が更に向上したという2点である。したがって再構成画像や...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 496 - 502
Main Authors 青柳, 裕, 豊田, 圭子, 兼平, 千裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
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ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.496

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Summary:多列検出器CT (multidetector-row CT以下MD CTあるいはmultislice helical CT) は1998年に登場し, 近年の画像診断の技術分野で極めて大きな話題の1つとなっている。これは体軸方向に複数の検出器をもつことにより, 一回転で複数のスライスを収集することが可能である。現在では2列や4列に加え, 8列, 16列のMD CT装置が臨床で使用されている。MD CTでは0.5mmの薄いスライス撮影が可能となり, 微細な構造も描出できるようになった。MD CTの利点は, 劇的に撮像時間が短縮され, 空間分解能が更に向上したという2点である。したがって再構成画像や3D画像の画質も向上させる。頭頸部腫瘍のCT診断において造影剤投与は必要であるが, 腫瘍と血管との位置関係も立体的に描出可能である。以下, 頭頸部領域におけるMD CTの有用性を画像診断医の立場から概説する。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.496