中咽頭癌の治療戦略

1971年から2001年までに当科で治療した中咽頭扁平上皮癌一次根治症例195例を放射線治療主体群, 手術主体群, 手術+放射線群に分類し, 亜部位別に有効な治療方法を検討した。更に, 各亜部位別に原発巣切除方法や術後誤嚥への対策を検討した。全根治例での5年局所制御率は64%, 5年生存率は58%であった。5年局所制御率は手術+放射線治療群が有意に良好であったが, 生存率に差はみられなかった。亜部位別での5年局所制御率, 生存率は後壁型が有意に不良であった。前壁型では舌根切除+喉頭水平部分切除を行い良好な局所制御が得られた。側壁癌舌根浸潤例では舌根1/2を切除すると喉頭保存例が半数となった。後...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 428 - 433
Main Authors 中島, 格, 鈴木, 弦, 梅野, 博仁, 早渕, 尚文, 坂本, 菊男, 千年, 俊一, 田中, 法瑞, 千々和, 秀記
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
Subjects
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ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.428

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Summary:1971年から2001年までに当科で治療した中咽頭扁平上皮癌一次根治症例195例を放射線治療主体群, 手術主体群, 手術+放射線群に分類し, 亜部位別に有効な治療方法を検討した。更に, 各亜部位別に原発巣切除方法や術後誤嚥への対策を検討した。全根治例での5年局所制御率は64%, 5年生存率は58%であった。5年局所制御率は手術+放射線治療群が有意に良好であったが, 生存率に差はみられなかった。亜部位別での5年局所制御率, 生存率は後壁型が有意に不良であった。前壁型では舌根切除+喉頭水平部分切除を行い良好な局所制御が得られた。側壁癌舌根浸潤例では舌根1/2を切除すると喉頭保存例が半数となった。後壁型では原発巣拡大切除が必要で, 口内か舌骨経由での切除が術後誤嚥の防止に大切と考えられた。上壁型の局所制御には原発巣の充分な安全域を含めた切除+放射線治療が必要であった。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.428