求心性および遠心性収縮運動による運動単位動員特性の変化〜高密度表面筋電図を用いた解析

本研究の目的は,求心性および遠心性収縮運動直後の運動単位動員特性を調べることである.最大等速性膝伸展運動を求心性条件,遠心性条件を開始前筋力の80%以下に疲労するまで反復して行った.疲労運動の前後に最大筋力の50%の漸増的筋力発揮を行い,高密度表面筋電図を外側広筋から取得し,個々の運動単位活動を記録した.運動前後に外側広筋の筋断面積を超音波診断装置にて計測し,電気的誘発筋力も記録した.検出された運動単位数は求心性条件で64,遠心性条件で53であった.その結果,両条件ともに中高強度で動員される運動単位が有意に動員閾値を下げた.特に求心性条件後に有意に大きな発火頻度上昇と大きな筋断面積の即時増加が...

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Published inデサントスポーツ科学 Vol. 44; pp. 98 - 103
Main Authors 廣野, 哲也, 功刀, 峻, 吉村, 茜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 22.02.2023
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Summary:本研究の目的は,求心性および遠心性収縮運動直後の運動単位動員特性を調べることである.最大等速性膝伸展運動を求心性条件,遠心性条件を開始前筋力の80%以下に疲労するまで反復して行った.疲労運動の前後に最大筋力の50%の漸増的筋力発揮を行い,高密度表面筋電図を外側広筋から取得し,個々の運動単位活動を記録した.運動前後に外側広筋の筋断面積を超音波診断装置にて計測し,電気的誘発筋力も記録した.検出された運動単位数は求心性条件で64,遠心性条件で53であった.その結果,両条件ともに中高強度で動員される運動単位が有意に動員閾値を下げた.特に求心性条件後に有意に大きな発火頻度上昇と大きな筋断面積の即時増加が生じた.両条件で電気誘発筋力は低下し,条件間差はなかった.これら結果から,求心性収縮を疲労困憊まで行うと,遠心性収縮よりも大きな筋への神経入力が発生し,代謝ストレスも大きくなることが示唆された.
ISSN:0285-5739
2758-4429
DOI:10.57488/descente.44.0_98