大腸有茎性mp癌の1例

症例は54歳,男性。便潜血反応陽性を主訴に他院を受診し,大腸ポリープと診断され,本院に紹介となった。大腸内視鏡検査で直腸RSに1型進行癌(RC),上行結腸に大きさ9mmの有茎性ポリープ(PP)と大きさ3cmの結節集簇型病変(NA)を認めた。PPは内視鏡的硬さと,太い茎を有していた。ポリペクトミーを施行したが断端陽性であったため,ポリペクトミー後3週目に上行結腸・回盲部切除,高位前方切除術を行った。最終病理診断は,RCは深達度mpの高分化腺癌,ACは高度異型腺腫であった。PPは腺腫成分のない,深達度mpの中分化腺癌で,先進部は粘液癌の組織像を呈し,1群リンパ節転移が認められた。有茎性の形態を保っ...

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Published in消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy Vol. 51; pp. 120 - 123
Main Authors 佐竹, 儀治, 岡, 壽士, 藤田, 力也, 浦上, 尚之, 瀬尾, 洋二, 服部, 隆志, 神長, 憲宏, 遠藤, 豊, 高橋, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.03.1998
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ISSN0389-9403
0389-9403
DOI10.11641/pdensks.51.0_120

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Summary:症例は54歳,男性。便潜血反応陽性を主訴に他院を受診し,大腸ポリープと診断され,本院に紹介となった。大腸内視鏡検査で直腸RSに1型進行癌(RC),上行結腸に大きさ9mmの有茎性ポリープ(PP)と大きさ3cmの結節集簇型病変(NA)を認めた。PPは内視鏡的硬さと,太い茎を有していた。ポリペクトミーを施行したが断端陽性であったため,ポリペクトミー後3週目に上行結腸・回盲部切除,高位前方切除術を行った。最終病理診断は,RCは深達度mpの高分化腺癌,ACは高度異型腺腫であった。PPは腺腫成分のない,深達度mpの中分化腺癌で,先進部は粘液癌の組織像を呈し,1群リンパ節転移が認められた。有茎性の形態を保った進行癌は極めてまれで,文献検索では1例の報告例があるのみであった。大腸癌の発育進展を考えるうえでも貴重な症例と考えられるため報告する。
ISSN:0389-9403
0389-9403
DOI:10.11641/pdensks.51.0_120