小腸原発悪性ラブドイド腫瘍の1例

小腸原発悪性ラブドイド腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性で,腸閉塞の診断にて入院となった.腹部CT,MRI,超音波検査では小腸に6 cm大の腫瘤が存在した.小腸造影検査では空腸に不整な隆起病変があり高度の狭窄を伴っていた.原発性小腸腫瘍と判断し腹腔鏡下切除術を予定し手術に臨んだ.腫瘍の後腹膜との癒着が高度であり浸潤も疑われたため,小開腹を併施し小腸部分切除術を行った.病理組織学的診断では,偏在した大型の核を持つ異型細胞が増殖し,核小体明瞭で細胞質には好酸性で小球体を有するrhabdoidな細胞が存在した.免疫染色検査では,vimentin,cytokeratinおよびEMAが...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 42; no. 3; pp. 282 - 287
Main Authors 太田, 竜, 小根山, 正貴, 高橋, 保正, 河原, 祐一, 北村, 雅也, 後藤, 学, 関川, 浩司, 桶田, 理喜, 竹之下, 誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.03.2009
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Summary:小腸原発悪性ラブドイド腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性で,腸閉塞の診断にて入院となった.腹部CT,MRI,超音波検査では小腸に6 cm大の腫瘤が存在した.小腸造影検査では空腸に不整な隆起病変があり高度の狭窄を伴っていた.原発性小腸腫瘍と判断し腹腔鏡下切除術を予定し手術に臨んだ.腫瘍の後腹膜との癒着が高度であり浸潤も疑われたため,小開腹を併施し小腸部分切除術を行った.病理組織学的診断では,偏在した大型の核を持つ異型細胞が増殖し,核小体明瞭で細胞質には好酸性で小球体を有するrhabdoidな細胞が存在した.免疫染色検査では,vimentin,cytokeratinおよびEMAが陽性であり,desmin,chromograninおよびSMAは陰性だった.小腸原発悪性ラブドイド腫瘍は極めてまれであり,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.42.282