術後6年目にメッシュ感染を生じた腹壁瘢痕ヘルニアの1例

症例は62歳の男性で,2001年2月に他院にて絞扼性腸閉塞の診断で小腸部分切除術を施行された.同年5月に腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,コンポジックスメッシュを用いたヘルニア修復術が施行された.術後経過は良好であったが,2006年8月腹痛が出現し近医を受診した.腹部広範に圧痛,発赤を認め,また腹部CTにおいては腹壁直下に液体成分と思われる低吸収域を認めた.メッシュを温床とした腹腔内膿瘍と診断され,切開排膿,同部の洗浄に加え,抗生剤投与が開始された.しかし,2か月を経過しても感染が遷延するため手術目的で当院に紹介となった.同年10月に当院にてメッシュ除去術および洗浄ドレナージ術を施行した.術後第8病日...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 460 - 465
Main Authors 白畑, 敦, 松原, 猛人, 伊津野, 久紀, 齋藤, 充生, 石橋, 一慶, 木川, 岳, 根本, 洋, 北村, 直康, 真田, 裕, 日比, 健志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.2010
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Summary:症例は62歳の男性で,2001年2月に他院にて絞扼性腸閉塞の診断で小腸部分切除術を施行された.同年5月に腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,コンポジックスメッシュを用いたヘルニア修復術が施行された.術後経過は良好であったが,2006年8月腹痛が出現し近医を受診した.腹部広範に圧痛,発赤を認め,また腹部CTにおいては腹壁直下に液体成分と思われる低吸収域を認めた.メッシュを温床とした腹腔内膿瘍と診断され,切開排膿,同部の洗浄に加え,抗生剤投与が開始された.しかし,2か月を経過しても感染が遷延するため手術目的で当院に紹介となった.同年10月に当院にてメッシュ除去術および洗浄ドレナージ術を施行した.術後第8病日に経過良好で退院した.術後,感染の再燃は認めていない.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.43.460