Calcipotriol (MC903)のラットを用いた経皮投与による26週間反復投与毒性試験

MC903の安全性を評価するため,0, 0.8, 4および20 μg/kg/dayをSlc:SD系ラット雌雄の背部剃毛皮膚に26週間開放塗布して毒性を検討し,以下の結果を得た。1. 死亡例は投与期間を通して,各群の雌雄に認めなかった。一般状態,体重および摂餌量にMC903投与の影響はなかった。摂水量の増加傾向を4 μg/kg群の雄,増加を同群の雌と20 μg/kg群の雌雄に認めた。2. 眼科学的検査で,4および20 μg/kg群のそれぞれ雄および雌雄に角膜表面の一部混濁の増加を認めた。尿検査で,4 μg/kg群以上の雌雄に尿量の増加傾向,pH低下,尿中カルシウム・無機リン排泄量の増加を認めた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 21; no. SupplementII; pp. 345 - 363
Main Authors 北垣, 忠温, 鈴木, 登志郎, 小池, 嘉秀, 小野, 正博, 白川, 清美, 永田, 充宏, 小西, 良士
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1996
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:MC903の安全性を評価するため,0, 0.8, 4および20 μg/kg/dayをSlc:SD系ラット雌雄の背部剃毛皮膚に26週間開放塗布して毒性を検討し,以下の結果を得た。1. 死亡例は投与期間を通して,各群の雌雄に認めなかった。一般状態,体重および摂餌量にMC903投与の影響はなかった。摂水量の増加傾向を4 μg/kg群の雄,増加を同群の雌と20 μg/kg群の雌雄に認めた。2. 眼科学的検査で,4および20 μg/kg群のそれぞれ雄および雌雄に角膜表面の一部混濁の増加を認めた。尿検査で,4 μg/kg群以上の雌雄に尿量の増加傾向,pH低下,尿中カルシウム・無機リン排泄量の増加を認めた。血液化学的検査で,20 μg/kg群の雌に血中無機リン濃度の増加,雌雄に血中カルシウム濃度の増加を認めた。3. 病理学的検査で,20 μg/kg群の雄に腎臓絶対重量の増加,雌に副腎絶対重量・相対重量の増加,4および20 μg/kg群のそれぞれ雌および雌雄に腎臓の鉱質化,20 μg/kg群の雌に投与部皮膚の軽度な角化亢進,雌雄に胸骨と大腿骨の骨硬化性変化の増加を認めた。電子顕微鏡検査で,肝臓および腎臓に著変はなかった。4. 以上の結果から,MC903の無毒性量は雌雄とも0.8 μg/kg/dayと推定した。
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.21.SupplementII_345