皮膚真菌症研究の魅力

皮膚科医にとって医真菌学はきわめてアプローチしやすい研究分野である.皮膚の病原菌として知られる限られた菌種の基礎的知識,光学顕微鏡と真菌培養の技術だけで,皮膚科の臨床能力が高まると同時に,菌株があることで専門家へのアクセスが可能になり,また自身も専門家へのステップを登り始めることができる.このように門戸が広いこと,かつ研究と臨床が近接していることは皮膚科領域の研究分野のなかで特筆すべきであろう.本稿ではSporothrix属真菌とTrichophyton tonsuransを例に著者の研究を紹介したが,皮膚真菌症については未解決の疑問も多い.若手の皮膚科医には新たな方法を工夫しつつこの分野で大...

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Published in日本医真菌学会雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 63 - 66
Main Author 望月, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医真菌学会 31.07.2024
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ISSN2434-5229
2434-5237
DOI10.11534/ishinkin.24.005

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Summary:皮膚科医にとって医真菌学はきわめてアプローチしやすい研究分野である.皮膚の病原菌として知られる限られた菌種の基礎的知識,光学顕微鏡と真菌培養の技術だけで,皮膚科の臨床能力が高まると同時に,菌株があることで専門家へのアクセスが可能になり,また自身も専門家へのステップを登り始めることができる.このように門戸が広いこと,かつ研究と臨床が近接していることは皮膚科領域の研究分野のなかで特筆すべきであろう.本稿ではSporothrix属真菌とTrichophyton tonsuransを例に著者の研究を紹介したが,皮膚真菌症については未解決の疑問も多い.若手の皮膚科医には新たな方法を工夫しつつこの分野で大いに活躍してもらいたい.
ISSN:2434-5229
2434-5237
DOI:10.11534/ishinkin.24.005