上咽頭癌に対するCDDP/5FUと放射線治療の交替療法

上咽頭癌 (II~IV期) に対し多施設共同でCDDP (50mg/m2/日×2日間) と5FU (800mg/m2/日, 5日間) を用いた化学療法と放射線療法を組み合わせた交替療法を行った。67例 (II~III期 : 41例, IV期 : 26例) に対し化学療法と放射線療法を交互に行い, 三回の化学療法が予定通り施行できた症例は57例 (85%) であった。全症例の3年全生存率は90.5%であり, 3年無病生存率は78.3%であった。初回再発部位は, 原発巣が4例, 頸部リンパ節が2例, 遠隔転移が8例であった。約半数にGrade 3~4の骨髄抑制が, また約30%の症例にGrade...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 4; pp. 545 - 549
Main Authors 鹿間, 直人, 鹿野, 真人, 林, 靖之, 不破, 信和, 戸板, 孝文, 湯田, 厚司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
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ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.545

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Summary:上咽頭癌 (II~IV期) に対し多施設共同でCDDP (50mg/m2/日×2日間) と5FU (800mg/m2/日, 5日間) を用いた化学療法と放射線療法を組み合わせた交替療法を行った。67例 (II~III期 : 41例, IV期 : 26例) に対し化学療法と放射線療法を交互に行い, 三回の化学療法が予定通り施行できた症例は57例 (85%) であった。全症例の3年全生存率は90.5%であり, 3年無病生存率は78.3%であった。初回再発部位は, 原発巣が4例, 頸部リンパ節が2例, 遠隔転移が8例であった。約半数にGrade 3~4の骨髄抑制が, また約30%の症例にGrade 3~4の重篤な粘膜炎を認めた。治療関連死は見られなかったが, 3例でGrade 3~4の肝臓または腎臓の有害事象を認めた。本療法は治療完遂率も高く成績も良好であったが, 重篤な粘膜炎および肝臓・腎臓の有害事象を認めることがあり慎重な全身管理が求められる。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.545