放射線治療後の再発舌癌に対するレーザー手術の臨床評価

レーザー手術は術中の出血が少なく電気メスのように攣縮がないため病変を正確に切除できた。しかも術後の疼痛や機能障害は軽度である。本研究は放射線治療後の再発舌癌に対するレーザー手術の有用性を評価した。 1980年~1998年の間に神戸大学医学部附属病院口腔外科を受診した舌癌の一次症例で, 原発巣に対して放射線治療が行われたT1, T2N0症例は105例で, このうち局所再発が24例 (22.9%) にみられた。二次治療として16例に外科手術が行われたが, このうち8例はレーザーによる舌部分切除であった。8例中2例は頸部非制御のため原病死し2例は他病死した。他の4例中3例は局所, 頸部とも制御され現...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 515 - 518
Main Authors 石井, 準之助, 藤田, 邦夫, 小松原, 秀紀, 梅田, 正博, 古森, 孝英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
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Summary:レーザー手術は術中の出血が少なく電気メスのように攣縮がないため病変を正確に切除できた。しかも術後の疼痛や機能障害は軽度である。本研究は放射線治療後の再発舌癌に対するレーザー手術の有用性を評価した。 1980年~1998年の間に神戸大学医学部附属病院口腔外科を受診した舌癌の一次症例で, 原発巣に対して放射線治療が行われたT1, T2N0症例は105例で, このうち局所再発が24例 (22.9%) にみられた。二次治療として16例に外科手術が行われたが, このうち8例はレーザーによる舌部分切除であった。8例中2例は頸部非制御のため原病死し2例は他病死した。他の4例中3例は局所, 頸部とも制御され現在も生存中である。 放射線治療後の再発舌癌は早期再発例に対しては頸部郭清を含めた拡大手術が必要と思われたが, 晩期再発例に対してはレーザー手術が有用であると思われた。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.515