流動層CVD法によりモノシランから製造した多結晶シリコン粒子中の残留水素

流動層CVD法によりモノシランから製造した多結晶シリコン粒子には残留水素が含まれ, CZ引き上げ工程においてるつぼ内の流動を乱し, 問題となることが知られている.本研究では熱処理による多結晶シリコン粒子からの残留水素の脱離を行った.水素脱離の活性化エネルギーを昇温脱離 (TPD) 法により求めた.FTIRによる測定から, 多結晶シリコン粒子中には種々のSi-H結合が存在することが明らかになった.吸収ピーク面積は, TPDによる水素の脱離量の増大とともに小さくなった.この関係から, 残留水素量は反応したモノシランの中に存在していた水素の約0.05%に相当することがわかった.また加熱処理によるFT...

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Published in化学工学論文集 Vol. 18; no. 5; pp. 701 - 707
Main Authors 小島, 紀徳, 山田, 繁, 松方, 正彦, 小田桐, 誉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1992
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.18.701

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Summary:流動層CVD法によりモノシランから製造した多結晶シリコン粒子には残留水素が含まれ, CZ引き上げ工程においてるつぼ内の流動を乱し, 問題となることが知られている.本研究では熱処理による多結晶シリコン粒子からの残留水素の脱離を行った.水素脱離の活性化エネルギーを昇温脱離 (TPD) 法により求めた.FTIRによる測定から, 多結晶シリコン粒子中には種々のSi-H結合が存在することが明らかになった.吸収ピーク面積は, TPDによる水素の脱離量の増大とともに小さくなった.この関係から, 残留水素量は反応したモノシランの中に存在していた水素の約0.05%に相当することがわかった.また加熱処理によるFTIRの吸収ピーク面積の減少とともに, シリコン粒子の粒子密度は直線的に増大し, ほほ真密度にまで至ることがわかった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.18.701