CO2-カルバミン酸系におけるCO2の吸収特性と炭素同位体の交換速度

DNBA-n-オクタン系における炭素同位体の分離特性について検討し, CO2の吸収特性, CO2-カルバミン酸間における炭素同位体の交換速度, 平衡分離係数を測定した. 作業流体はDNBA (ジ-n-ブチルアミン) とn-オクタン (不活性溶媒) の混合液であった.作業流体へのCO2の吸収は化学吸収 (DNBA) と物理吸収 (n-オクタン) の和で表された.作業流体は90℃以上でCO2を吸収しなかったが, 低温ではCO2を多く吸収した.DNBAはCO2を化学吸収し, カルバミン酸を生成した.カルバミン酸の生成反応および解離反応は可逆的に進行した. 炭素同位体の平衡分離係数は低温において大きな...

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Published in化学工学論文集 Vol. 11; no. 5; pp. 581 - 588
Main Authors 竹下, 健二, 北本, 朝史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1985
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.11.581

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Summary:DNBA-n-オクタン系における炭素同位体の分離特性について検討し, CO2の吸収特性, CO2-カルバミン酸間における炭素同位体の交換速度, 平衡分離係数を測定した. 作業流体はDNBA (ジ-n-ブチルアミン) とn-オクタン (不活性溶媒) の混合液であった.作業流体へのCO2の吸収は化学吸収 (DNBA) と物理吸収 (n-オクタン) の和で表された.作業流体は90℃以上でCO2を吸収しなかったが, 低温ではCO2を多く吸収した.DNBAはCO2を化学吸収し, カルバミン酸を生成した.カルバミン酸の生成反応および解離反応は可逆的に進行した. 炭素同位体の平衡分離係数は低温において大きな値になった.気液間の交換速度は物理吸収によるCO2濃度とカルバミン酸濃度の相乗積に比例していた.CO2-カルバミン酸系の分離プロセスにとって低温・高圧の操作条件は有効であることがわかった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.11.581