東京教育博物館における学術講義—「算術教授法」に注目して

本稿の目的は、1880年代の東京教育博物館における学術講義の歴史的意義を解明することにある。東京府が現職教育システムを整備するまでの間、学術講義はそれを補完する役割を果たした。本稿では野口保興の「算術教授法」に注目し、受講生が講義内容を自らの授業実践に選択的に取り入れたことを明らかにした。この事例から、東京教育博物館が教育のハード面の普及だけでなく、学術講義を通じてソフト面の普及にも一定の影響力を及ぼしたことを解明した。...

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Published in教育学研究 Vol. 83; no. 1; pp. 1 - 12
Main Author 髙田, 麻美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育学会 2016
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ISSN0387-3161
2187-5278
DOI10.11555/kyoiku.83.1_1

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Summary:本稿の目的は、1880年代の東京教育博物館における学術講義の歴史的意義を解明することにある。東京府が現職教育システムを整備するまでの間、学術講義はそれを補完する役割を果たした。本稿では野口保興の「算術教授法」に注目し、受講生が講義内容を自らの授業実践に選択的に取り入れたことを明らかにした。この事例から、東京教育博物館が教育のハード面の普及だけでなく、学術講義を通じてソフト面の普及にも一定の影響力を及ぼしたことを解明した。
ISSN:0387-3161
2187-5278
DOI:10.11555/kyoiku.83.1_1