がん関連静脈血栓塞栓症による突然死の臨床病理学的特徴
進行がんに伴う急性広範性肺血栓塞栓症47剖検例(男性22・女性25例,平均66±11歳)の臨床病理学的特徴を検討した.原発部位は,結腸8例,肺7例,卵巣6例,その他27例.23例(49%)はがんの加療中であったが静脈血栓塞栓症(VTE)の生前診断は1例のみであった.加療中の83%は外来通院中であった.肺血栓塞栓症の性状は62%が急性,38%が再発性.静脈血栓の局在は92%が下肢深部静脈で,両肢性が85%,局在は94%が下腿型であった.がんに接する上下大静脈静脈血栓が3例,下肢深部静脈血栓と非深部静脈血栓の合併が2例あった.がん関連VTE予防においては非がん患者と同様の下肢の血流うっ滞防止が重要...
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Published in | 静脈学 Vol. 31; no. 3; pp. 123 - 129 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈学会
25.11.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
DOI | 10.7134/phlebol.20-17 |
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Summary: | 進行がんに伴う急性広範性肺血栓塞栓症47剖検例(男性22・女性25例,平均66±11歳)の臨床病理学的特徴を検討した.原発部位は,結腸8例,肺7例,卵巣6例,その他27例.23例(49%)はがんの加療中であったが静脈血栓塞栓症(VTE)の生前診断は1例のみであった.加療中の83%は外来通院中であった.肺血栓塞栓症の性状は62%が急性,38%が再発性.静脈血栓の局在は92%が下肢深部静脈で,両肢性が85%,局在は94%が下腿型であった.がんに接する上下大静脈静脈血栓が3例,下肢深部静脈血栓と非深部静脈血栓の合併が2例あった.がん関連VTE予防においては非がん患者と同様の下肢の血流うっ滞防止が重要である一方で,がんの種類や部位・診療内容など,患者の個々の病態に即した対応が求められる. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.20-17 |