希薄Mg,Al合金中の溶質原子の時効規則化・クラスター化のモデリング

溶質元素を微量に添加した希薄合金では,その時効熱処理過程において溶質原子が拡散・凝集することで特徴的な短範囲規則構造(クラスター) を形成する.母相中の溶質クラスターは組成,温度,時間によって形態が変化し,系の機械的特性に対して大きな影響を及ぼすため,その形成機構および形成条件を理解することが重要である.著者らは,希薄Mg 合金およびAl 合金中の溶質クラスター形成の鍵となる相互作用特性を電子状態計算に基づき明らかにした上で,原子論的モデリングにより組成・温度に依存した時効過程における規則構造の様態を予測的に評価してきた.本稿では,希薄Mg,Al 合金を対象とした多元系における溶質原子の時効規...

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Published inアンサンブル Vol. 19; no. 3; pp. 171 - 177
Main Author 君塚, 肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 分子シミュレーション学会 30.07.2017
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ISSN1884-6750
1884-5088
DOI10.11436/mssj.19.171

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Summary:溶質元素を微量に添加した希薄合金では,その時効熱処理過程において溶質原子が拡散・凝集することで特徴的な短範囲規則構造(クラスター) を形成する.母相中の溶質クラスターは組成,温度,時間によって形態が変化し,系の機械的特性に対して大きな影響を及ぼすため,その形成機構および形成条件を理解することが重要である.著者らは,希薄Mg 合金およびAl 合金中の溶質クラスター形成の鍵となる相互作用特性を電子状態計算に基づき明らかにした上で,原子論的モデリングにより組成・温度に依存した時効過程における規則構造の様態を予測的に評価してきた.本稿では,希薄Mg,Al 合金を対象とした多元系における溶質原子の時効規則化・クラスター化の解析アプローチおよびその事例について紹介する.
ISSN:1884-6750
1884-5088
DOI:10.11436/mssj.19.171